Journal

Where flowers begin. Nagano, June 2026

花を知ることは、その花の歴史を知ること。

六月末、長野の産地を訪ねました。



 

もっと深掘りしなさい、とフラワーファーム沓掛の沓掛さんは伝えてくれました。

自生する環境、季節のめぐり、育ち方。
山を歩きながら、一本ずつその名前と来歴を教わりました。

その花が現在の姿に至るまでの道のりを知るほど、扱い方が変わり、いちばん美しい姿が見えてくる。知ることは、そのまま花を見る目になる。



 

フラワーファームアイリーの百瀬りくさん、かおりさんの畑では、雑草を抜きました。一本抜く。また一本抜く。
その何気ない繰り返しが、花の吸い上げる養分を左右する。 



 

市場で手に取る一本は、数えきれない名前のつかない手仕事の先にありました。一輪が咲くまでに費やされた時間と、込められた想い。それを知ってしまうと、もう、ただの素材として見ることはできません。 

 



 

おぎはら植物園にも足を運びました。
この土地の気候に合う一株が、いまも選ばれ続けていました。

そして、花は決して一人の力では届きません。

生産者から市場へ、仲卸へ、花屋へ、その先の誰かへ。
それぞれの想いが繋がって、はじめて一輪は誰かのもとに届く。

昨年に続きご縁を繋いでくださった、私たちの仕入れを一手に担ってくださる畑中さん。貴重な体験を記録してくれたフォトグラファーの高見さん。この体験もまた、繋いでいただいたものの先にあります。

私たちの仕事は、花を仕入れて売ることではなく、その価値を次の人へ渡していくこと。

水あげも、道具の手入れも、ただこなす作業ではありません。受け取ったものを、私たち自身の手と言葉で渡せるように。
それが、産地へ学びに行き、受け取った価値でした。

全てが素晴らしい体験でした。ありがとうございました。